BASIC COLOR is “KURO” 黒ってベーシックですよね? 08.Chef (deli fu cious)

ミシュラン星付き店で修行した
寿司職人が作るフィッシュバーガー

フィッシュバーガー専門店という事ですが、魚のみにした理由を教えてください?

僕が元々お寿司屋さんに勤めていた事もあり、魚しか触れなかったんですよね。それで、友人たちと飲食店を始めるにあたって、どんなお店をやるかという案を出していたのですが、その中で「フィッシュバーガーってみんな好きだよね!」という話から、寿司屋のフィルターをとおしたフィッシュバーガー屋さんが出来たら面白いんじゃないか、という話になったんです。もちろん、今までにそういうお店がなかったですしね。

寿司職人になろうと思ったキッカケはなんですか?

地元が名古屋なのですが、18歳の時に名古屋から築地まで鮮魚を運ぶトラックの運転手をやっていたんです。ほとんど毎日築地にいて、魚を卸している人とか、場内のお寿司屋さんとか、そういう人たちの仕事や環境を見て、自分の将来を考えた時に手に職が欲しいなと。それまで料理はほとんどした事もなかったのですが、お寿司屋さんには興味がありました。単純に寿司職人がかっこよかったというのもあります(笑)。
そんな時に、地元の先輩から知り合いの寿司屋が人を探しているという話を聞いて、そのお店に入ったのがキッカケですね。
二十歳からそこに勤めて3年。ただ、やはり”寿司は東京”というイメージがありましたし、「銀座に出たい!」という気持ちも強かったので、23歳の時に上京して、銀座の『青空(はるたか)』で約6年間勤めました。

独立したのは、何か転機があったのでしょうか?

元々、アメリカ西海岸の横ノリカルチャーが好きだった事もあって、銀座の寿司屋を勤め終えてから半年ほどロサンゼルスに行ったんです。向こうでも寿司屋で働いていて、アメリカでの出店も考えたのですが、残念ながらうまくいかず。帰国してからは調理師会の板前になって、お寿司の先生をやったりしていたのですが、ある時、友人から飲食店の出店の相談を受けて、話しているうちに自分でやりたくなってしまったんですよね(笑)。「ミシュラン星付きの寿司屋で働いてた職人が、何か新しいものを作ったら面白くない?」って。それって自分たちっぽいですしね。

味の基本としているのは?

和です。基本となる出汁のベースは、カツオとこんぶ、あとは煮干しですね。しょうゆ、みりん、油にもこだわってます。
勤めていたお店の名前も親方の名前も出させていただいているので、間違った事は出来ないですし、不味いものは出せないなって(笑)。だから、自分の持っている知識を全て出すという感じで、味には気合いを入れてます。

僕にしか出来ない新しい事を常にやっていきたい

工藤さんにとって、ご自分のベーシックとなっている部分は何だと思いますか?

形にとらわれない事…ですかね。人がやっている事とか、真似とかではなく、僕にしか出来ない新しい事を常にやっていきたいです。唯一の物が出来る自負もありますので。

最後に、本企画は「黒=ベーシック」というテーマなのですが、工藤さんにとっての"黒"のイメージを教えてください。

何にも染まらない色。締まって見えますし、足し引きしない、強い色ですよね
個人的にも黒は好きな色です。

工藤慎也 Shinya Kudo

『deli fu cious(デリファシャス)』シェフ
ミシュランで星を獲得している予約のとりにくい鮨屋として有名な『青空(はるたか)』で約6年経験を積む。ロサンゼルスに渡米後、中目黒でフィッシュバーガー専門店『deli fu cious(デリファシャス)』を出店する。「活け〆煮穴子の天ぷらドッグ」などの独創的で新しいスタイルが注目を集め、海外からの来店客も多い連日行列の人気店。

何色にも染まらない色、それは「黒」。

黒の艶やかな輝きは、周囲の色を引き締め、個性を際立たせてくれます。
いつでもどんな時にでも頼りになる1本に。